義足製作の目的
ワンラブ・プロジェクトは97年にルワンダのキガリ市に義肢製作所を開き、のべ10,000人以上の人たちに義足・装具・杖・車いすなどを無料で配ってきました。
日本とは違い、設備が完全に揃っているわけではありません。ルワンダにあるものをうまく活用して義足製作を行っています。
また人によって、義足に求めるものは様々です。1人1人丁寧に聞き取りをしたうえで、どのような義足をつくるか決めていきます。
義足の製作から配布までの流れ

①受付
来所した障害者の情報を聞き取ります。
(氏名・出身地・家族構成・生年月日・職業・障害特性・障害を受けた原因など)
以前は虐殺による障害が多かったですが、最近は交通事故や糖尿病などによる障害が増えてきています。

② 型取り
義肢装具士によって、患部の型取りを行います。
場所がない時は、外で型取りを行う時も。
型取りの際には、足をめくって切断部を露わにしなければなりません。中には下着を履いていない人もいます。
その際はタオルで簡易パンツをつくったりして対応しています。

③ モデル作り
型を取った石膏包帯の中に、石膏を流し込み、患部の型を作ります。
メジャーで測ったサイズを元に、型をヤスリで削って整えます。

④ ソケット作り
石膏の型に、プラスチックパイプを炉で柔らかくしたものをかぶせ、患部に履かせるソケットを作ります。
ソケットが合わなければ全てが合わなくなる。義足づくりにおける第一の関門です。

⑤ 組上げ
ソケットに、足部・関節部品などを組んでいきます。
この時、部品を組上げる角度などは非常に重要なポイントで、義足の履き心地を大きく左右します。
第二の関門といったところでしょうか。

⑥ 仮合せ
「⑤組上げ」まで出来上がった時点で、一度本人に装着・歩行してもらいます。この時に、微調整を行います。

⑦ 仕上げ
微調整の終わった義足の仕上げをします。
使う部品によっても違いますが、スポンジをかぶせ、彼らの肌色に染めたストッキングを履かせたりします。
こうすることによって、より本当の足に近い義足を作ることができます。
特に女性の場合は、スカートを履いて生活をしたいという希望もあり、きれいにデコレーションをすると、非常に喜ばれます。

⑧ 配布
出来上がった義足を、本人に渡します。
基本的にワンラブでは、無償で配布しています。
この時に出来上がった義足に対してのコメントをもらい、データとしてまとめます。
そしてワンラブでは義肢装具だけでなく、杖や車椅子の配布も行っています。